
Chasing Glory With Lilian Garcia 03/05/18 w/ AJ Styles
ジンダー・マハルがスターになるまで
当初の彼のスタイルは今と全然違ったな。ジンダーはWWEに戻ってきて、スマックダウンに移籍した直後に一気にトップに─経験したことのなかった地位へと駆け上がった。
格が上がると、全てを変える必要がある。リングの中での振る舞いやキャラクターの演じ方とか…とにかく全部だ。だから彼は急速に「ビッグスターのなり方」を習得する必要があったんだ。簡単に聞こえるかもしれないが、本当に大変なことなんだぜ。
俺にベルトを取られることについて、彼は冷静に受け止めていたよ。その話が聞こえてきた時、俺は「ジンダー、どう思う?」と本人に直接聞いた。彼がこの決定に同意しているかどうか、というのは自分にとってはとても重要なことだったからね。するとジンダーは「俺はAJより優れたレスラーではないし、君は偉大なチャンピオンだったじゃないか。なあ、どう思う?」と返してきたんだ。もう一度言うが、彼は長い間この業界にいる。だから彼の考え方は非常に成熟していて、俺はそれをとても有難く思ったよ。
しばしば巡りが悪く、ただ時間の経過を待たなければいけない時もある。そしてその期間が想定以上に長いこともな。でも、最終的にはまたトップに返り咲くことができるはずだ。
AJ対ナカムラへの意気込み
今年はレッスルマニアのヘッドライナーになれるチャンスかもしれないんだ。勿論、その前にファストレーンで勝たないといけないんだけど……もしそこを勝ち抜いて、シンスケ・ナカムラとWMで対戦する権利を得たとしたら─アメリカでは見せていない、日本でもたった一度しか起こっていない試合は半端じゃなく盛り上がるものになるだろうな!
それに自分は日本での仕返しもしなきゃならない。今回はナカムラにホーム・アドバンテージは無いからな…仮にこの試合がメインイベントじゃなかったとしても、そこで起こるかもしれない”何か”を考えると楽しみで仕方がない。俺たちの試合はアメージングになるし、ぶっちゃけ試合後には会場を滅茶苦茶にしてしまうだろうから、WWEは後々この試合をメインイベントにしておけばよかったなあ、と後悔することになると思うよ。
WWEからのオファーを家族のために断りTNAへ
2002年、WWEからディベロップメント契約のオファーを貰ったんだけど、それがオハイオへの移住という条件付きだった(※当時のWWE下部組織、OVWのため)。
だが、当時の俺はもう結婚していたんだ。たとえ彼女が「行け!」と言ったとしても、彼女を一人残して実家に帰らせる…なんてのは正しいことだと思えなかった。俺の仕事は彼女の面倒を見ることだから、結局丁重にお断りさせてもらった。それから数ヶ月経って、TNAが興ったんだ。最初のそれは俺にとって大きなオファーという訳ではなかったが、6ヶ月も経たない内に「OK、これは”何か”になるだろう」と思い契約した。
実際TNAは日に日に成長を続け、俺は自分や仲間たちが共に作り上げたTNAという場所が大好きになった。俺達が育てた、これから何かより素晴らしいものになるはずの、俺達の団体だった。そこで過ごすのはとても楽しかったし、人々のプロレスを見る目すら変えることができたんだ。
TNAの没落
何かの劣化版になろうとした時、つまりはWWEのライト版になろうとした時─それは最早”選択肢”ではなくなる。
もしWWEが観たいのなら、皆WWEの方を観るだろう。俺達はとにかくWWEとは違うナニかにならなくてはいけなかったんだ。だからTNAが通常の正方形のリングに戻した(※TNA名物六角形リングは維持管理費を理由に二度売却されている)のは大きなミステイクだったと思っている。TNAで行われているレスリングスタイルに慣れきってしまい、もうこれ以上は観なくていいかな、というようなファンが増えてしまったんだ。
TNAが落ち目になっていく要因はまだまだある。たとえば団体をより輝かせ、大きく育てたクリスチャンやカート・アングル。でも2009か10年になる頃には、会社は誰がここまで会社をおおきくしたかも忘れて彼らに頼らなくなってしまった。結果として、TNAはそこから坂道を転がり落ち始めることになる。
<続>
後編はコチラ
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