アレイスター・ブラックが語るロマン・レインズのいい話─二人が過去に交わした会話とは?

Photocredit: colossussport
アレイスター・ブラックがロマン・レインズの欠場を受けてfacebookに投稿した話。色々感じさせるものがあります。

 

普段、俺はこういうことをするような人間ではない。
だが、このような状況においては、少し記しておきたくなった。

 

 

俺がレスリングを始めた頃、世の中は今程簡単ではなかった。
2000年のレスリング業界において、特にオランダ出身の選手なんていうのは有名ではない。

 

どこにもそんな選手をトレーニングしたい人なんていない。自分をトレーニングしたいと思ってくれる人を探して、国外にまで行かなければいけなかった。
ただ近所のレスリングスクールを見つけ、月謝を支払って通うよりも遥かに困難なことであった。

 

 

俺のトレーニングは、伝統的なリスペクトの精神に恵まれていた。他人のムーブやキャラクター、ロッカールームのルール・礼節をリスペクトすること。
その内のいくつかは、俺がシラットやキックボクシング等、他スポーツの道場に通っていた時にも見られたものだった。

 

俺はこの考え方を持ったまま、ヨーロッパの他の地域や日本、しまいにはWWEにまでたどり着くこととなる。

 

 

17年間を早送りして、今は2017年5月。
俺は初めてRAWツアーに参加し、ライブイベントの他にもメインイベント(注:番組名)でカート・ホーキンスと闘うこととなっていた。

 

ライブイベントツアーの間、俺は選手たちがいなくなった後のロッカールームが綺麗に保たれていることを毎日確認していた。たとえば、ゴミの処理はされているか、タオルがきちんと整頓されているか、試合を終えた選手たち全員に行き渡る量の水が用意されているかどうか…。特にアッパーカード(※メインに近い試合)の選手たちの去った後は特別気にして綺麗にするよう心掛けていた。

 

こうした行為は一般的には長く忘れられ、最早誰も実践していないことなのだろう。しかしこのような行為こそ、彼らが教えてくれたリスペクトの精神や謙虚に生きること同様非常に重要なことであり、この時代だからこそ強く求められることなのだと感じていた。

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その後何夜か過ぎ、俺は周りのみんなと知り合いになろうとした。
一緒に働く人々同士、コミュニケーションをとれるようにしておくのは重要なことだからだ。彼らは皆同僚であり、願わくばこれからとても長い間、充実した時間を共に過ごしていくことになる人々だ。

 

機を待つ内に、ほんの少しの時間だけロマン・レインズと話す機会を得た。俺たちはその時タトゥーや音楽、バックグラウンドや彼の祖先について話した。

 

 

会話の中で、ロマンは俺の目を見て「これ以上君にロッカールームを掃除してほしくない」と言った。

 

「君はここに属していているということを理解してほしい。試合で毎夜会場を沸かせてほしいし、チームの一員となってほしい。それが俺が気にかけていることだ」。

 

「君はもうレスリングがどのように構成されるものか十分理解するほど長く、この業界にいるんだろう。だから、もっとリラックスしてくれ」と。

 

 

俺はロマンやセス、ブレイやフィンのようなバックステージリーダーにこうした行為をやめるよう言われなければきっと、清掃をやめることはなかっただろう。
稼ぎを得て、地位を得て、リスペクトを得る─それが俺が教えられてきたことだから。

 

この会話以降、彼は会うたびに俺にハグと共に、穏やかな様子で「最近はどうだ?」と挨拶してくれるようになった。

 

 

俺はロマンのことをよく知っているわけではない。限られたコミュニケーションしか取っていないが、そのすべてにとても感謝している。

 

そのツアーの最終日、ロマンは俺たちに感謝の言葉と「君たちがした試合が良いものであったとしても悪いものであったとしても、明日もまた同じことを繰り返しやる機会はある。それは素晴らしいことだ」ということを伝えた。

 

そう、彼は正しかった。
素晴らしい人間でありパフォーマーであり、リーダーであるロマンの幸運を祈る。

 

また会う日まで、ロマン。

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