
かつてWWEブッカーかつTNAプロデューサーを務め、現MLWシニアプロデューサーであるプリチャードがTNA時代のAJスタイルズが持っていた悪評とその原因、彼なりのAJとの付き合い方について語ります。おそらく続編があった筈ですが見当たらず、とりあえず投稿。
Something Else to Wrestle with Bruce Prichard w/ AJ Styles 06.14.18
2010年頃のAJスタイルズの評判について
私はWWEのトライアウトマッチ以外で彼と働いたことは無かったんだが、TNAに来てすぐに耳に入ってきたのは彼の”評判”だった。
みんなの話を聞いてみれば、彼への評価は「AJはただ自分が思う試合を、目立つようなムーブをしたいだけなんだ。俺達の話に耳も貸さないし、変わりたいとも成長したいとも思ってない。面倒臭い奴だ」、「我々は彼をよりビッグなスターにしようとしているのに、彼はありとあらゆるチャンスを全てはねつけている」なんてものだった。
その話を聞いて私が思ったのは、「彼は「スターになるためならどんなことでも喜んでやる」ようなタイプでは無いんだろうなあ」ということだ。
AJは”リック・フレアーアングル”に受容的ではなかった
例えば、リック・フレアーがTNAに来た時、彼らはAJに”ミニ・リック・フレアー”になって欲しがった。彼らはAJの髪をフレアーみたいな金髪に染めさせようとしていたんだ。勿論AJは嫌がった。
他にも彼らはAJにフレアーのローブ(※日本で言うところのガウン)を羽織ってほしいと要求した。これは受け入れたAJだが、ローブを羽織ったAJはまるで…コスプレみたいだったんだ。
▽う〜ん……
eBay(※米版ヤフオクのようなもの)に出品されている、ファンが作ったコスプレ用ローブの方がAJの着たそれより出来のいいものがあった。彼をからかうつもりはないけど、それはもう酷いもんだったんだよ(笑)クソみたいな出来でね…。
もし君がローブ好きだったら、フレアーのローブは一際好ましく思うはずだ。70年代、フレアーはあのローブを手作りさせるのに数千ドルを支払っていた。それを2010年に200ドルでコピー商品を作ったんだ。10,000ドル。200ドル。そりゃあ違いも出るよ。
見た目が悪いだけでなく、AJ自身もフレアーになって居心地が悪そうだった。
彼は「毎夜女性達と一晩中遊んでいる」といったフレアーのようなエピソードを口にすることを嫌がった。AJは幸せな結婚をした、非常に信心深い男だからね。
だから髪も染めたがらなかった(*)んだが、そういうところからAJは”問題児”のラベルを貼られてしまっていたんだ。「AJに何か新しいことを提言しても、彼は身一つでするレスリングの試合以外の一切を拒む」、といった具合に。
AJとの経験で得たもの
私はキャリアの初期段階で「人々は”他人が自分をどう扱うか”で他人を判断しようとする」ということを学んだ。
私はAJとの対話を試みて、結果として彼は本当に寛容であること、他人からの提案を拒むのには正当な理由があることを知ったんだ。
だから私はAJと仲良くする道をさがそうとした。彼が受け入れてくれそうな様々なアイデアを持って行って、何か新しいことをさせようとしたんだ。彼はとてもオープンだったよ、少なくとも私に対してはね。
*: ググってみたところ、中世以前、キリスト教は「染髪は信仰に反する」との立場を取っていたとの情報がチラホラ
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