
TRIB LIVE 04/07/18 w/ Corey Graves
コメンテーターとしての初めての夜
あの日のことはいつでも思い出す。あの日俺達はマリオットに泊まっていた。夜分目を覚ました俺は窓からピッツバーグの町を見たことを覚えてるよ。俺が生まれ育った町だ。レスラーとしての俺の旅路は頭のおかしいようなことばかりだったから、レスラーと決別する最初の夜にピッツバーグの町を見たことは奇妙な皮肉のように感じたね。
俺は町を見渡して、幸せのあまり5分間も泣き崩れた。
そしてその後、「おっと、仕事に行く時間だ」と。それ以降、過去を振り返ったことは決してない。
世界は本当におかしな皮肉ったらしいことばかりで回っている。そして「地元出身選手の凱旋に相応しいビッグベビーフェイスのような歓声のために暗いところからこっそり抜けないといけないかな?」なんて考えていても俺に歓声は起こらないし、入場の際にエントランスが流れなかったことにガッカリすることになるんだ。
当時は知らなかったこと
コメンタリー(解説)の難しさだね。ありとあらゆることが起こりうるあのスピード感…正直ファンのような気持ちでレスリングを観ていたいとも思うし、一方ファンのために正しいことをしたいという気持ちもある。
が、あまりの忙しなさに自分でもしょっちゅう何を口走っているのか分からなくなる。やらなきゃいけないことが多過ぎるんだよな。マイケル・コールが物凄い量のdisを受けてるのは信じられないよ。彼がどれだけの情報を処理していることか!
マンデーナイト・RAWはオンエアの状態でも常に変化し続けるんだ。クレイジーだよ。いつもじゃないが、俺達はショー・シート(※多分進行表的なニュアンス)を持たないこともある。そういうショーのことをバーナプキン・ショーと呼ぶんだ。バーナプキンに自分の言うことやらメモやらを必死に書き留めながら何とかセグメントを乗り切ろうとするからな。あれは頭おかしい。
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でも、解説をやっていてベストなことは、やっぱり楽しいことだ。次に何が起きるのか、今何が起こってるかがさっぱり分からない。俺はそれを愛しているよ。
ピッツバーグについて
(あなたは勿論、アライアスもよくやっているし、カート・アングルも復帰した。あなたと家族はピッツバーグレスリングシーンに根ざしているけれど、やはり同郷の人々が活躍するのは嬉しい?という質問に対し)
ああ、信じられないよ。先週はまさにピッツバーグに帰っていたんだ。旅行部門が遅いフライトをブッキングしてくれたから、現地に着いて地元の友達とランチに行った後、祖父母に会いに行けた。ドラ息子が家に帰ったんだ。年に数回も会わないくらいだけど、今回はようやくそこらをほっつき歩いたり、ピッツバーグを楽しむ1日を過ごせたよ。
ピッツバーグはピッツバーグ中心の意識が強くて、どんな職業でも成功した人には「That’s our man!(≒よくやった!)」となる。たとえそれがWWEで、加入したばかりの人間だったとしてもな。正気を失いそうだよ!懐かしいなあ、 いつかこの地に戻ってくるよう妻を説得しようとしているんだ。
ダニエル・ブライアンの復帰と自身の境遇
あの日は俺にとっては大変だった。俺は事前に何も聞かされていなかったんだ。ブライアンに関しては、非常に興奮したよ。彼は自分の友人で、リングでは素晴らしいパフォーマーだ。リングこそ、彼が居るべき場所だと思う。
そして彼の復帰は俺にとって不意打ちだった。俺は「俺もそうして、復帰するべきか?」「でもどうやって?」「仮に復帰するとどうなる?」なんて自問自答を繰り返すようになったんだ。
WWEの中で、そんな話を提案してきた社員たちと少し話をした。「もしお前がその道を追わんとするなら、俺達もその方法を探すことができるかもしれない」なんて言っていた……だから俺はその選択肢を前に一週間半くらい悩んでいたのさ。俺は再びレスラーに戻ることができるのか?その時何が起きるのか?…そういうことだ。
仮に選手復帰したとして…
もしも選手に戻ることができたなら、当然コメンテーターは辞める。もう一度言っておくが、これは仮に全てがいい結果を迎えたら、欠場を終えることができたら、という可能性の話に過ぎない。全て然るべき時には勝手に解決することだから、今は今の場所(解説席)が俺の居るべき場所なんだ。だから今は辞めるわけがないよ。
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