[後編]ムスタファアリ「「君はムスリムなんだからヒールじゃないと」と言われてきた」「自分の行いが子供にステレオタイプを押し付けることに…」「SDデビュー後にビンスから受けたアドバイス」

ムスタファアリ ダニエルブライアン
Photocredit: WWE
前編の続き。インディー時代のムスタファ・アリと人種によるステレオタイプ、メインロースターデビュー後のビンスからのアドバイスについてなど。訳し損ねましたが、アリの前職は警察官だそうです。

 

Talk is Jericho  w/ Mustafa Ali   19.01.11

 

ステレオタイプなヒールを辞めた話

レスリングを始めた時、俺は16歳だった。俺は元々レスリングが好きで、外に出て人を楽しませたいと思っていた。

それでレスリングスクールに通うようになったんだけど、ある時トレーナー達から「君はもう試合に臨む準備が出来たようだね。デビューするにあたって、キャラクターについて考えないと」と伝えられたんだ。

 

でも、持ち込むキャラクター全てが突き返された。彼らは「No, No, No. 君はムスリムなんだから、悪役にならなきゃ」と言った。「どういうこと?俺はバッドガイにならなければいけないのか?」と思ったね…。

俺はそうした属性で押していくのが嫌で、提案されたキャラクターを(初めは)断ったんだ。
結局、「Hey, 俺はハイフライが好きだ。ルチャリブレを愛してる。だから、マスクを着けてルチャドールとして装ってはダメか?」と聞いたら「やりたいことをやるといいよ」と言われて、キャリア最初の4、5年間はマスクマンをしていたんだよ。

ただ、マスクマンをしていると、レスリングは上手くいっても観客とのコネクションが無いんだ。俺はただの様々なムーブをする存在であり、そのマスクの裏には本当の人格なんて無い。一切外との繋がりが無かったね。

 

まあ結局、数年後には丸め込まれて…いや、説得されてしまったんだよ。

決断は確かに自分のものではあったが、圧力に屈してしまったこの時期は人生でも最低の時間だったな。「わかったわかった、悪い外国人ギミックを試してみようじゃないか」「じゃあ、私達は君にサウジアラビアの王子になってほしいんだ。名前を考えてくれ」…なんて。

盛り上がったよ。ありとあらゆるものに対して酷いアンチ・アメリカのプロモをして…はっきり言ってジョークみたいなものだったし、本当に簡単だった。
ただリングに上がって、別の言語を話し、よくわからない中でも毎回ブーイングをされて会場を追い出される─これが毎晩だったよ。

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このキャラクターが本当に嫌だった。ターニングポイントはイリノイ州オークフォレストで屋外での試合を行っていた時、幼い子供に会ったことだ。彼は6~8歳位だったね。

試合後、俺がバリケード沿いに歩いていたら、その彼が椅子から飛び上がってファイティングポーズを取ったんだ。彼は遊んでる風ではなく、恐怖と怒りから拳を上げたようだった。

 

死んだような目でこちらを見てくる金髪に青い目のあの子の姿を本当によく覚えてる。

それで「なんてことだ、俺はこんな子供に俺を、俺のような外見をした人間を憎むように教えていたのか」「俺はこれまで一体何をしていたんだ?」と我に返ったよ。

 

俺の行為は幼い子供の心にこうしたステレオタイプを押し付けていたんだ。そしてあの日が俺のヒールギミック最後の日となった。

団体の彼らには「Hey, 俺はこれからプリンスではなくただのムスタファ・アリでやっていく。俺はもうアメリカについて悪いことは言わない、何故なら俺はアメリカ出身だからだ!」と伝えたね。

 

ビンスからのアドバイス

ビンス・マクマホンはいつもポジティブなフィードバックをくれるんだ。過去にも自分はクルーザー級について、彼と何度か話をしたことがあった。殆ど自己紹介のようなものだったけどね。

 

そういう訳で彼とは以前にも話したことがあったけれど、俺がどのようにWWEで成り上がり、金を稼ぐようになるかについて直接的な方向性を与えられたのはSDデビューマッチの後が初めてのことだった。

 

デビューマッチで観客からスタンディングオベーションを受けた後、バックステージでも憧れのランディ・オートンやジェフ・ハーディーが暖かく迎えて、それも褒め讃えてくれたんだ。

その後すぐ、ビンスからプロモやその他諸々についてのアドバイスを受けた。

 

最後に彼は「君のような男は常に底辺から闘っていかなければいけないことを覚えておくべきだ。なぜなら君は、観客から本当の共感を得ることができる稀有な才能を持っているからな」と言ってくれたよ。これには本当に感謝している。

 

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